箸墓古墳~奈良旅⑥

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大神神社を後にして、次の目的地は箸墓古墳(はしはかこふん)です。
【箸塚古墳(はしはかこふん)】
箸墓古墳(はしはかこふん、箸中山古墳)は、奈良県桜井市箸中にある古墳です。
形状は前方後円墳です。
実際の被葬者は明らかでないようですが、
宮内庁により「大市墓(おおいちのはか)」として
第7代孝霊天皇皇女の倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の墓に治定されております。
また周濠が国の史跡に指定されているほか、
周濠の一部は「箸中大池」として、ため池百選の1つに選定されています。
纒向遺跡の箸中に所在する箸中古墳群のシンボル的な古墳です。
考古学的年代決定論により、
箸墓古墳の築造年代が3世紀の中頃から後半とする説もありますが、
近年炭素14年代測定法によりますと、
50-100年程度古く推定されることが明らかとなっております。
墳墓からは種々の特殊埴輪類が出土しており、
また周壕から馬具が出土していることから、
4世紀中期以降の可能性もあるそうです。
なお、箸が日本に伝来した時期(7世紀頃)と
神話における説話との間に大きなずれがあるところから、
古墳を作成した集団である土師氏(はじし)の墓、つまり土師墓から箸墓になったという説もあります。
現状での規模は墳長およそ278メートル、後円部は径約150メートル、
高さ約30メートルで、前方部は前面幅約130メートル、高さ約16メートルです。
その体積は約37万立方メートルです。
周辺地域の調査結果から、本来はもう一回り大きかった可能性もあります。
専用の駐車場はありません。
写真は下記の青印の方向から撮影しました。
「箸中」の信号付近から、土手に上がった処です⇓⇓⇓

「日本書紀」では、倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)、以下、
百襲姫(ももそひめ)は
大物主神(三輪山の神、大神神社祭神)の妻となったとありますが、
「古事記」では活玉依姫(いくたまよりひめ)と記されてあります。
百襲姫(ももそひめ)の最期は悲劇的な結末を迎え、
それがこの古墳の名前の由来にもなっているそうですが、
「日本書紀」の記す伝承は、別離し死去する(神人隔絶型)であるという特徴があり、
対して「古事記」は神・人が結ばれて子が産まれる型(神人交流型)という特徴があるようです。
(参考:ウキペディアより)
ほぼ、同時期に作成及び編さんされたものなのに、
どうしてこのような違いが生じるのでしょうか?
物語性があるのは古事記で、日本書紀はこれまでの記録性を重視しているようです。



話を戻して、百襲姫(ももそひめ)は極めて霊力の高い巫女姫でもあったようです。
元来、天皇は我が国の祭祀王であり、連なる皇族も祭祀を担うものとして、
霊力の高さが必要であったようですが、
その中でも特に百襲姫(ももそひめ)は優れていたようです。
従って、百襲姫(ももそひめ)を、
卑弥呼と同一人物として推定する候補としてはその筆頭格であるようです。
ちなみに、「卑弥呼」と言う字は「魏志倭人伝」の中に記述された文字ですが、
日本の発音を元に「魏」の国の漢字を当てはめたものであるそうです。
実はこれは、別の意味があり、あくまでも一説によりますが、
中華思想から他国を軽んじている文字にあたり、
差別的な意味合いもあるとも言われております。
元々は太陽にお仕えする巫女、
という意味として日御子(ひのみこ)
或いは日巫女(ひみこ)であるとの説があります。
「卑弥呼」と「日御子」や「日巫女」ではかなり違ってきますからね。
そして、その「ひみこ」がいた「邪馬台国」の所在地に関して論議があり、
未だ結論が出ていません。
けれども、「やまたいこく」というのは当時の中国語に基づいて音読した言葉であり、
元来は「大和国(やまとこく)」のことだろうとも推測されております。
更に、奈良をめぐっていた時の地名を見て感じたことは、
まるで暗号の様に各地の地名があり、
それは近畿地方ではない別のある地方にも合致して、
「もしや・・・」という推測も出来ます。
それこそ古代史のミステリーなのですが、
「邪馬台国」の所在地をめぐる論争は、根深いものがあり、
真の所在が明らかになると、
もしかして古代史の隠されたミステリーを掘り起し、
結果としてこれまで習ってきた歴史が変わる可能性があるな‥と思いました。
故に、あえて所在を知られないように隠したのかな?とも読み取れます。
そうした古代史の謎に思いをはせ、
ロマンを楽しみつつ天川村へと車を走らせました。
奈良旅のまとめ記事です⇓⇓
奈良旅(一部、三重県)総括~パワースポットと少々不思議な話。
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初瀬街道の阿保宿を通って長谷寺へ~奈良旅②
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