【立山室堂小屋】
室堂小屋(むろどうこや)は、
富山県中新川郡立山町芦峅寺(あしくらじ)室堂にある
歴史的建造物です。
国の重要文化財に指定されています。
「立山室堂」と呼ばれる場合もあります。
20世紀後半の1980年代まで
宿泊施設(立山室堂山荘の山小屋)として
実際に使用されていましたが、
文化財指定にともなって
新しい山荘が隣接地に建設され、
現在は文化財として保存されています。
<室堂山荘>
【歴史】
雄山山頂の立山寺(雄山神社)への
参詣者のための宿泊、立山遥拝などに
用いられた信仰施設でした。
北室と南室の2棟からなり、
史料から北室は享保11年(1726年)、
南室は明和8年(1771年)の建立と推定されています。
明治以降は神仏分離・廃仏毀釈の影響などにより
民間に払い下げられ、
のちに立山室堂山荘という名称で
立山信仰の拠点はもちろんの事、
登山や観光拠点の山小屋として使用されてきました。
永年にわたる補修などにより、
山荘として使用されていた最終期には
建物全体がトタンで覆われ、
アルミサッシの窓が取り付けられていました。
1985年頃、老朽化にともなう建て替え計画によって
調査を行ったところ、
建築時の構造材が大多数残されていることが判明。
文化財として復元可能なことが確認されました。
1986年(昭和61年)に、
富山県指定有形文化財に指定されました。
翌年には隣接する区域に
新しい立山室堂山荘が建設されました。
1992年(平成4年)から
1994年にかけて
解体修理が行われ、
建立当初の形態・間取りに復元されました。
なお近年まで現役の山小屋であったため、
ペンキ塗りにトタン屋根、
間取り改変やサッシ窓化などの
大幅な改築が施されており、
一見したところでは、
文化財建築には見えないほどだったとのことです。
1995年(平成7年)に
国の重要文化財に指定されました。
指定名称は「立山室堂 2棟 附:風除石積」です。
<室堂小屋>
【鎌倉時代からの宗教活動】
解体修理の際に行われた
立山町教育委員会の発掘調査によりますと、
12世紀の宗教的な遺物が発見されており、
15世紀頃の建てられた建物の礎石も
確認されているとのことです。
従って鎌倉時代からこの地点では、
僧侶や修験者による何らかの
宗教活動があったことが確認できたのでした。
また南北棟と別に
もう一棟の建築物があったことも確認されました。
山小屋として使用された建物としては
日本最古の建造物です。
【文化財】
重要文化財(国指定)
立山室堂 2棟(附 風除石積2所)(建造物)
1995年(平成6年)6月27日指定。
【室堂・室堂平】
室堂(むろどう)および
室堂平(むろどうだいら)は、
立山火山の活動によって
形成された弥陀ヶ原溶岩台地の上部地域です。
【地理地形など】
飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰にあり、
一帯は中部山岳国立公園の
特別保護地区および特別地域となっています。
近年では、室堂といえば
室堂ターミナル周辺の室堂平一帯を指します。
室堂は立山黒部アルペンルートのコース上にあり、
立山や剱岳の登山の拠点となっています。
室堂ターミナル付近にある
ミクリガ池(みくりが池)やミドリガ池(みどりが池)は
立山火山の火口湖です。
地獄谷では現在でも火山性ガスや
硫黄などの噴出物が勢いよく噴出しています。
周辺に石畳の遊歩道が整備され観光スポットとなっています。
この地下から湧き出す温泉は、
周辺のホテルや山小屋などの宿泊施設に供給されています。
<遊歩道の整備>
室堂平の南部には室堂山という山があり、
立山カルデラの展望台が設置されています。
整備の行き届いた遊歩道が整備されていて、
観光がてらの散策ルートとなっています。
周辺は森林限界のハイマツ帯で
ライチョウの生息地ともなっています。
運が良ければ、雷鳥の姿を見ることが出来るかもしれません。
またタテヤマリンドウ、チングルマなどの
多くの高山植物が自生しています。
【由来】
本来「室堂」とは、
室堂ターミナルから徒歩10分ほどの
ところにある江戸時代の建物のことです。
元来は修験者が宿泊または祈祷を行ったお堂でした。
のちに立山に登拝する宗教登山者の基地となりました。
建材として美女平のタテヤマスギが使われています。
<玉殿岩屋>
エンマ台展望台・血の池・りんどう池・雷鳥沢キャンプ場~立山黒部アルペンルート
立山玉殿・日本一高い採水地!星の空ビールはいかがでしょうか?~立山黒部アルペンルート
立山ロープウェイ・紅葉の絨毯・黒部平⇔大観峰、動画あり~立山黒部アルペンルート
大観峰駅・黒部湖や後立山連峰の絶景が見渡せる場所~立山黒部アルペンルート