地獄谷・動画あり~立山黒部アルペンルート

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【地獄谷】

地獄谷(じごくだに)は、
富山県中新川郡立山町(旧国越中国)
の室堂平にある火山地形帯です。
標高2300mに位置しています。
室堂平トレッキングの観光ポイントの一つでもあります。
立山火山の最後の活動によって
みくりが池などと共に形成されたとされています。
以前は噴気帯近くに温泉宿がありましたが、
火山性ガスの危険のために閉鎖され、
現在は地獄谷から湧出した湯を、
周囲の「みくりが池温泉」や「らいちょう温泉」、
「雷鳥沢温泉」へ送って使用しています。

2020年10月現在、立ち入り禁止です。

当地には観光客向け商店などは
室堂駅以外に一切なく、
いわゆる「温泉街」は存在しません。
現在は地獄谷の源泉を引湯した
4軒の温泉宿が室堂周辺に点在しています。

室堂駅から近い順に、
「みくりが池温泉」。
「らいちょう温泉」を名乗る「雷鳥荘」。
「雷鳥沢温泉」を名乗る
「雷鳥沢ヒュッテ」と「ロッジ立山連峰」。
両館は隣接しており、2006年に姉妹館となりました。
すべての宿が旅館の要素と
山小屋の要素を兼ね備えていますが、
室堂駅から遠くなるほど
山小屋の要素の方が強くなります。
個室だけでなく相部屋も存在しますがが、
純粋な山小屋とは異なり、
ベッドの定員以上の宿泊はできません。
従ってシーズン中は予約が必須となります。
個室にもテレビの設置はありません。
どの宿も日帰り入浴を受け付けていますが、
2020年はコロナ禍の影響で受付を中止しています。

地獄谷に温泉が湧出していることは
古くから知られていましたが、
日本を代表する山岳信仰である
立山信仰の中では現実の地獄として
恐れられていたため、
長らく温泉が利用されることはなかったそうです。
源泉付近に「八大地獄」と
名づけられている場所があり、
立山信仰の中では、
悪事を働いた人はそのうちのどこかに落ちると
言われていた程でした。

<地獄谷・動画>

戦後1947年、
ようやく科学的な温泉分析が行われ、
入浴に適した温泉であると実証されました。
この年に初めて、
温泉つき山小屋「房治荘」が
源泉地帯の真ん中に建てられました。

1954年に立山ケーブルカーが開業し、
翌年の1955年には
立山高原バスが美女平から弘法まで、
次いで弥陀ヶ原まで開通すると、
立山は山岳信仰だけでなく、
スポーツとしての登山者やハイキング客、
冬は山岳スキー客が訪れるようになりました。
弥陀ヶ原から室堂までの
四輪駆動車用の道も整備され、
比較的物資輸送が容易になったジープ道沿道には
多くの山小屋が作られるようになり、
地獄谷の源泉地帯にも1955年に「雄山荘」と、
付近の雷鳥沢のほとりに
「雷鳥荘」(旧)が設置されました。
1956年には源泉地帯に
金沢大学の夏山診療所(旧)が設置。
1957年には雷鳥荘(旧)近くの高台に
「ロッジ立山連峰」が、
ミクリガ池畔に「みくりが池温泉」が設置され、
それぞれ温泉水あるいは
温泉で暖めた水が送られるようになったのでした。



弥陀ヶ原までだったバス路線は、
ジープ道を拡張する形で
1963年に天狗平まで、
1964年には室堂まで延伸しました。

1968年に雷鳥荘(旧)が雪崩被害を受け、
尾根の上に移転しました。

1971年には立山黒部アルペンルートも開通し、
交通の便が改善されるたびに
訪問する登山者や観光客が増えていったのでした。

その後源泉地帯は火山性ガスの危険があることもあり、
「房治荘」は1975年に
ロッジ立山連峰の隣接地に移転し
「ニューフサジ」と改名し、
その後経営者の変更により
現在の「雷鳥沢ヒュッテ」となりました。
また、雄山荘は廃業し、
診療所は雷鳥沢野営場と
剱沢の2箇所に移転しており、
源泉地帯の建築物は全て撤去され、
浴槽跡が残るのみとなりました。

2001年頃には地獄谷一帯は
遊歩道が整備され、
一般観光客も立ち入ることが出来ましたが、
地獄谷の源泉(「地獄」)地帯は
残雪により濃いガス溜りが出来る懸念があり、
火山性ガスによるガス中毒の
危険を避けるために
例年6月までは全面通行禁止となっていました。
それ以降の期間も夜間の通行は禁止されていました。

2011年から噴気活動の拡大活発化により、
2020年現在に至るまで
通年の通行禁止が続いています。
室堂駅から雷鳥沢温泉に向かうには、
本来は源泉地帯経由が一番近いのですが、
遠回りとなる稜線上の
雷鳥荘経由の道を通る必要があります。
このルートにも風向きを示す
吹き流しが数カ所に設置され、
噴気地帯の風下になった場合の
注意喚起を行っています。

地獄谷の源泉地帯に
山小屋や診療所の建物があった当時に
現地に設置されていた地図つき案内板が、
現在でも山麓の芦峅寺にある
富山県立山博物館に保管されています。
常設展示はされてはいませんが
企画展などの際には見学できます。

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