南湖公園~「士民共楽」の理念で松平定信によって造園された日本最古の公園で国の史跡・名勝。

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【南湖公園】

南湖公園(なんここうえん)は、
福島県白河市にある都市公園(風致公園)です。
日本最古の公園といわれており、
大正13年(1924年)12月9日、
国の史跡および名勝に指定されています。
また、周囲は南湖県立自然公園に指定されているほか、
2010年(平成22年)3月25日に
南湖として農林水産省のため
池百選に選定されました。

「士民共楽」の理念のもと、
12代白河藩主である松平定信(楽翁公)が
「大沼」と呼ばれていた湿地帯に
堤を作って水を貯め、
庭園の要素を取り入れて
享和元年(1801年)に築造した公園です。

【日本最古の公園の所以】
日本の公園制度は、
明治6年(1873年)の太政官布告からですが、
「南湖」が「日本最古の公園」
とよばれるゆえんは、享和元年(1801年)、
白河藩主松平定信が造成した
この湖の地を身分の差を越え
庶民が憩える「士民共楽」という思想を掲げ、
レクリエーション地として開放した場所とし、
それが今日まで現存しているためです。

【南湖の名】
南湖の名は李白の詩句
「南湖秋水夜無煙」からとも、
白河小峰城の南に位置していたことから
名付けられたともいわれています。
現在の南湖公園のあたりは
元々大沼と呼ばれた湿地帯で、
松平家が藩主になるまえの
本多家のころから
多目的に利用するための
湖沼を施工してはいました。
丘には松の木が密に分布し、
花々もその間に点在して
観葉植物の種類に富み、
池のなかには島嶼があって
遊覧の地となっています。

【南湖】
また南湖はその名の通り
湖のような池泉を持っていますが、
池泉といっても大沼で、
自然の谷に堰を作り池泉の底には
粘土層を敷き詰めてあるということです。
したがって、普通の池とは違って
かなり水位が高いとし、
満々と水を蓄えた景色は、
来訪者の心をなごませます。

南湖の水深は現在一番深いところで
1m少し超えるほどとのことです。
湖の定義は水深4m以上なので、
あくまで池泉で湖とはされませんが、
造園から200年も経っているので
泥で深くはなっている可能性があるとのことです。

南湖公園(福島県白河市)

水面にはハスが浮き、
その下にはじゅんさいが見え、
水を塞ぎ止めた千代堤には
松が並木となって連なり、
後の行き先を指し示すよう
植えられているということです。



【松平定信公が掲げた五徳】
松平定信公は創設に際しこれによって
次の五徳を得るとしたとのことです。
<1>
築堤による工事によって貧民の救済。
<2>
用水を確保して稲作の便を図る。
<3>
この園によって市民が享楽できる。
<4>
船を浮かべ操舟を習う。
<5>
水泳の術を習得する。
すなわちこの池泉で操舟や
水練の武技修練を考えていたのでした。

【松平定信公の理念】
松平定信公は、
「士民共楽(武士も庶民も共に楽しむ)」
という理念のもと南湖を築造しましたが、
身分の差を越えて
誰でも憩える茶室「共楽亭」
を建てたことからも
その理念への強い思いがうかがえます。

なお、松平定信公が城主となった
天明3年(1783年)は
有名な凶作の年であったということです。

【南湖十七景】
松平定信公は南湖築造のあと、
大名庭園に作られる「名所」と同様に、
南湖の周囲に十七の景勝地を選びました。

景勝地には和漢二つの名称を付け
(例えば「南湖(漢名)」「関の湖(和名)」)、
その景勝を詠んだ和歌と
漢詩を親しい公家や諸国の大名・儒者に依頼し、
寄せられた和歌・漢詩を
一石に刻んだ「南湖碑(南湖十七景詩歌碑)」
を建立しました。

それは南湖築造から19年後となる
文政3年(1820年)のことでした。
この石碑は今も共楽亭の西側に建っています。
その後、各景勝地には
その場所が忘れられないようにと、
個別の石碑が明治末期に地元有志により
建てられました。
一周約2kmの南湖を散策する際、
点在する石碑と詠まれた景色を
楽しむのもよいかもしれません。

【共楽亭】
南湖を見渡せる眺めの良い場所に
松平定信公が建てた
奇棟造りの木造木端葺(こばぶき)平屋の茶室です。
8畳2間の室内には鴨居や敷居がなく、
これは松平定信公の
「士民共楽(武士も庶民もともに楽しむ)」
という理念によるものと伝えられています。

「共楽亭」は南湖の十七の景勝の一つで、
「共楽亭」と題した和歌は松平定信自身が詠んでおり、

「山水の高きひきき(低き)もへだてなく 
共に楽しきまどい(円居)すらしも」

とあります。

<見学時間>
見学自由(外観のみ)

【翠楽苑】
松平定信公の庭園理念を引き継ぎ、
日本文化の伝承を体現する施設として
つくられた日本庭国です。
園内の「松楽亭」では、
書院造りの間で
抹茶と生菓子が楽しめます。

<入園料>
大人:320円、
小・中学生:160円

入園料と抹茶のセット:
大人780円
小・中学生630円(生菓子付)
※松楽亭では、美しい庭園をゆっくりと眺めながら、
入れたての抹茶が味わえます。

<営業時間>
午前9時~午後5時

<休苑日>
12月~2月:
第2水曜日(祝日の場合は翌日)、
3月、7月:
第2水曜日、木曜日(祝日の場合は翌日)、
年末年始(12月28日~1月3日)

<電話番号>
0248-23-6888



【南湖神社】
大正11、渋沢栄一翁の援助のもと建立されました。
祭神は松平定信公です。
境内には松平定信公の遺品、
渋沢栄一翁の書を収めた
「南湖神社宝物館」があります。

祭神は松平定信。
境内には、松平定信ゆかりの茶室
「松風亭蘿月庵」があります。
また、春になると参道を美しく彩る「楽翁桜」が見事です。

見学自由
<宝物館>
午前9時~午後4時

<定休日>
年末年始、神社祭礼休み

<料金>
(宝物館)
大人:350円
子供:200円
(団体割引有:30名以上)

【松風亭羅月庵】
南湖神社の境内には、
松平定信ゆかりの茶室「松風亭羅月庵」があります。
南湖神社の境内にあり、
茶人としても知られる松平定信公が
生前愛用した極めて質素な茶室です。

なお「蘿月」とは蔦の葉の間から見える月のことです。
例年ですと白河茶道連盟の茶会が催されます。
ご確認下さい。

<4月~11月> 
毎第2日曜日の月釜、

<5月・10月>
春秋の大茶会

<内部拝観>
午前9時~午後4時

<定休日>
年末年始、神社祭礼休み

<料金>
内部拝観:300円
駐車場 あり

<所在地>
〒961-0811 福島県白河市菅生舘2

<電話番号>
0258-23-3015

【松平定信】
江戸幕府八代将軍である
徳川吉宗の孫で、26歳で白河藩主になりました。
当時、天明の大飢饉から領民を救うため、
率先して倹約につとめ、
迅速に食糧救済措置を行い、
結果、白河薄からは飢饉による死者を
一人も出さなかったと伝えられています。
松平定信公が白河に残した功績は数多く、
今でもその伝統と精神がこの地に宿っているとのことです。
松平定信は、のちに徳川政権
11代将軍である徳川家斉のもとで老中となり、
寛政の改革を行い、幕政の安定を目指した人物です。

【所在地】
〒961-0812福島県白河市南湖1

【交通アクセス】
(電車)
JR東北本線「新白河」駅⇒
バス約10分「南湖公園」下車

(車)
東北自動車道「白河」IC⇒約10分程度。

【駐車場】
あり 無料、
約250台
◆南湖公園 菅生館駐車場
(大型可 トイレあり)
<所在地>
〒961-0827 福島県白河市池下38

◆南湖公園東駐車場
<所在地>
〒961-0827 福島県白河市池下

所要時間:15分~

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