温泉やお風呂の正しい入浴方法について~お湯の温度によって方法が異なるのです。

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先日都内にて「温泉ソムリエ」について受講してきました。
その中で温泉や家庭のお風呂における「正しい入浴方法(ただしいにゅうよくほうほう)」を教わり、
マナーや健康増進、事故防止の観点から、実に様々な入浴方法があるのです。
今回はその中でも、自宅のお風呂のお湯や温泉の温度別の入浴方法をお伝えいたします。
温泉やお風呂の正しい入浴方法について~入浴五か条及びそのスタイル。
温泉の定義について~日本の場合・温度や効果や海や山など。
つかるお湯の温度によって、自律神経の働き方が異なりますので、目的別に応じて入浴方法を変えます。
<交感神経>
心臓などの働きを活発にさせる「動」の神経で、体を「緊張」「興奮」させます。
高温浴・冷水浴(42度以上、20度以下、34度未満)
<副交感神経>
緊張や興奮を抑える「静」の神経で、体を「リラックス」させます。
温浴・微温浴(37度以上40度未満)
また、「リラックス」には夏は38度、冬は40度が望ましいとされています。
【超高温浴】(45度~48度)
高温及び短時間入浴による非特異的変調効果をねらった入浴方法です。
草津温泉の「時間湯」が有名です。
入浴する際には、入浴の手順や説明をよく聞いて理解したうえで行いましょう。
【高温浴】(42度~45度)
日本人が好む温度とされています。
一般的に最も気持ちよいと感じる温度は42度といわれており、
年齢別に若干の差異があり、50歳以上では43度~44度を好む人が多く、
20歳以上の若い日本人は欧米人が好む温度に近いとされています。
ちなみに欧米人が好む温度は日本人より2度~5度低いとされています。
身体に対して刺激的に働き、自律神経のうち交感神経を緊張させる温度です。
精神・神経を高ぶらせ、心臓の拍動を増加させ血圧を上昇させますが、胃液分泌は抑制します。
連続浴の場合、胃液の過酸状態では酸度を低下させ、
低酸状態では酸度を上げる「収れん効果」をもたらすことが知られているそうです。
【温浴】(39度~42度)
家庭で一般的に行われている入浴温度で、体温より高いので、体を温める効果があります。
温泉の場合は、自宅のお風呂よりも、
同じ温度であっても体を温める働きが著しいことが認められています。
更に詳細に分類するなら、
41度~42度は日本人が気持ちよく感じる適温、
40度以下は副交感神経を刺激するリラックス効果ありの温度です。
夏なら38度、冬なら40度が最も、リラックス効果が高まります。
【微温浴】(37度~39度)(34度~39度)
身体に対して鎮静的に働き精神、神経系の興奮を抑えることから、リラックスする目的で用いられます。
副交感神経を刺激するため、脈拍数を落とし、血圧も低下させますが、
胃液分泌は促進する効果があります。



【不感温浴】(34度~37度)
入浴に対して熱くも冷たくもない感じない温度を「不感(中立)温度帯」といいます。
この水温域に入浴すると、エネルギーの消費量が最も低くなり、
その範囲より高くとも低くとも、体温を保持するために、エネルギー消費量が増加する傾向があります。
体温に近いこの不感温度の入浴では、脈拍・血圧・呼吸に殆ど影響を与えないので、
心疾患のある人でも心配なく入浴できるそうです。
通常は30分から2時間くらい入浴します。
鎮静作用があり、主に精神障害、高血圧、不眠症などに利用されます。
また、水中リハビリテーションに有効な水温でもあるようです。
残念ながら、自宅のお風呂では温熱効果が得られにくいので、
長い時間成分を吸収できる温泉で効果を発揮します。
日帰り温泉施設でも、真夏に限定風呂として登場する場合もありますので、
夏の時季になりましたら、調べてみても良いかもしれません。
泉質別では「二酸化炭素泉」「放射線泉」がこの温度帯に入る傾向にありますので、
おすすめです。
【冷温浴】(25度~34度)
脈拍数は減少します。血圧は入浴時に一過性の上昇をし、
入浴中は低下し、浴後また一過性の上昇を示します。
運動浴(水中運動)や遊浴(水泳)に利用されます。
【冷水浴】(25度以下)
皮膚の動脈吻合は閉鎖され、血流は抑制され、皮膚は保温態勢をとります。
高温浴と併用して温冷交互浴を行う際にも利用され、海水浴はこの温度です。
「冷鉱泉(25度未満)}を利用し、泉温13度~14度の冷鉱泉に2~5分入浴するという方法があります。
これは皮膚病や精神障害に有効です。
大分県「寒の地地獄温泉」が、この入浴方法で有名なんだそうです。
<泉温別入浴時間の目安>
「42度」:
5分(5~6分、または約10分間を3回に分ける分割浴)
「41度」:10分
「40度」:15分
「39度」:20分
「36度」:40分(34~37度の「不感温帯」では思い切った長湯が可能です)
湯あたりを防ぐには、はじめは5分くらいから始めた方がよいそうです。
長湯するほどに温泉成分は体に吸収されやすいので、
ぬるめのお湯にゆっくりとつかるのがよいのですが、熱いお湯でも
「半身浴」「分割浴」で工夫すると、ゆっくりと体に負担をかけずに長湯が出来るそうです。
<分割浴の具体的な方法について>
42度程度(熱いお湯):3分入浴・(休憩3~5分)3分入浴・(休憩3~5分)・3分入浴
40度以下(ぬるめのお湯):5分入浴・(休憩3分)・8分入浴・(休憩3分)・3分入浴



<まとめ:完全入浴方法>
(1)入浴の15分~30分前までに水分補給し、ゆっくり休む。
(2)心臓の遠くから順番に十分なかけ湯をして、体を温める。
(3)「前と後ろ」など体の汚れている部分を洗う(衛生面やマナー)。
(4)再度、「かけ湯」にて体を温める(この時に洗顔してもグッド)。
(5)ひざ下に水をかける【温冷交互浴】。
温冷交互浴に慣れている方:「冷」⇒「温」⇒「冷」⇒「温」⇒冷」⇒「温」⇒「冷」
温冷交互浴に慣れていない方:「温」⇒「冷」⇒「温」⇒冷」⇒「温」
(6)入浴第1回目(温泉の場合、露天風呂がある時でもまずは内風呂に入る)。
まずは、ゆっくりとつかり、【全身浴】【半身浴】【浮遊浴】で慣らしていき、
入る時間は、お湯の温度別の【分割浴】で入りましょう。
42度⇒3分・40度以下⇒5分。
(7)休憩その1(頭を洗います。休憩が長すぎても湯冷めを起こすので、まずは頭だけ)
そして、ひざ下に水をかけます【温冷交互浴】。
(8)入浴の2回目(温泉で、露天風呂がある場合は、露天風呂に入りましょう)。
42度⇒3分・40度以下⇒8分
(9)休憩2(体を洗いましょう⇒ひざ下に水をかける)。
※※温泉の場合は、素肌の保護のために必ず手で洗いましょう。
(10)入浴3回目。42度⇒3分・40度以下⇒3分
※※お風呂から上がる際には、一気に立ち上がらずに【半身浴】⇒【足浴】を経て、
ゆっくりと立ち上がりましょう(水圧から体を徐々に開放していくため)。
(11)上がり湯(温泉の場合は必ず新鮮な温泉で行います)。
なお、「酸性泉」や「硫黄泉」は刺激が強いので、シャワーで流すとよろしいようです。
(12)浴室で体をふきます。
(温泉の場合、温泉の成分を適度に体に残すのなら、バスタオルはいりません)
(13)乾燥肌の方は入浴後10分以内に保湿剤を塗ります。
(14)十分な水分補給をします
(15)横になって休みます(15分~30分が理想です)。
※※「心」がリラックスするのが入浴後15分~30分であるとのデータが出ているので、
その時間はできればゆったりと休憩をします。
食事はそのあとで、アルコールは更にそのあとで、入浴後30分~60分後が良いそうです。
最も適したアルコールは「ビール」ですが、
「ビール」を含め、アルコール類は基本的には「水分補給」にはならないので、
「水分補給」はしっかりと行うことが望ましく、
特に入浴前の「水分補給」が理想的なんだそうです。
以上が「正しい入浴方法」でした。
何かと時間に追われている普段は、なかなか実践が難しいですが、
温泉地に出かけた時は、いわば「非日常」になるので、
是非とも実践してみてください。
また、ご家庭のお風呂の場合でも、
週末や休みの日には、自分へのご褒美時間と称して、
行ってみるのもいいかもしれません。
あと、家庭のお風呂のお楽しみとしては、「入浴剤」をそろえてみてもいいですね。
もう「追い炊き」はしない、という時は、粗塩をひとつまみパラパラっと
湯船の中に入れると疲れが取れます。
あと、アロマオイルを用いるのもいいですね。
ただ、、入浴剤やアロマオイルや粗塩を使用する際には、
お使いの風呂釜や湯船の説明書をよく読んだ上でご利用くださいませ。
お風呂の故障の原因になってしまいますので・・・。
また、アロマオイルは種類によっては、肌がかぶれやすかったりするので、
使用されるアロマオイルの説明もよく読んだ上でお使いください。
温泉分類・療養泉の種類と適応症について。

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