先日都内にて「温泉ソムリエ」について受講してきました。
その中で温泉やお風呂における「正しい入浴方法(ただしいにゅうよくほうほう)」を教わってきました。
温泉は勿論、自宅でのお風呂でも、大いに活用できるのでお知らせいたします。
なお、温泉の定義についてはこちらからどうぞ⇓⇓⇓
温泉の定義について~日本の場合・温度や効果や海や山など。
入浴方法はについては、マナーや健康に考慮した全般と、
湯の温度別の入浴方法とあります。
まずは、マナーや健康に考慮した入浴方法からお伝えします。
何故、正しい入浴方法を知る必要があるかというと、
実は入浴中や入浴が原因で亡くなる方が19000人程度であるとの推計があるからです。
そして、季節で云うと「冬」で年齢ですと「高齢者」が多く、
「熱いお風呂」でおきているのだそうです。
直接の死亡原因は脳卒中、脳梗塞、心筋梗塞で、
つまり、血管が詰まったり、破れたりすることなのです。
やってしまいがちなダメな入浴方法は、
外気温の低い冬に⇒体が冷えた状態で⇒急に熱いお風呂に入ってしまう。
これでは、特に血管が弱くなった高齢者が危険です。
年齢をさほど重ねていなくても、
現代社会はストレス社会で働き盛りの世代も血管年齢が高くて
血管がもろくなっている場合もあります。
それらの事故を避けるためにも、正しい入浴方法である
空気を暖め⇒体を温め⇒お湯はぬるくして⇒ゆっくりとお風呂につかって⇒ゆっくりと出る。
そして、入浴前には十分な水分補給をしておくことが大拙なんだそうです。
具体的に申しますと、
(1)入浴前後に必ず1杯の水を飲みます。
水分補給のために飲みます。
この場合、冷たい水ではなく、白湯でもいいし、
できればこの時にビタミンCを摂取すると湯あたりの防止になるそうです。
⇒温泉旅館に出てくる緑茶は理にかなっているのです。
(2)入浴の前には心臓の遠くから順に、十分な「かけ湯」をします。
「かけ湯」の目的は、体の汚れを落とすためのマナーだけではなく、
温泉の泉質や温度に慣らす目的もあって設置されています。
足先など心臓の遠くから順番に「十分なかけ湯」をしていきましょう。
そして、温泉だけではなく、ご自宅のお風呂でもできます。
(3)頭にはぬれたタオルをのせましょう。
立ちくらみ防止が主な目的で、タオル以外の対処としては、ゆっくりと浴槽からでます。
そして頭にのせるタオルは季節によって異なります。
「冬」⇒脳の血管が収縮して危険であるため、
脳の血管を開かせるために「熱いタオル」をのせます。
「夏」⇒のぼせ防止のために「冷たいタオル」をのせます。
夏場だけではなく、季節を問わず、「内湯」でも冷たいタオルが良いとの事です。
のぼせは、頭に血がのぼった「オーバーヒート状態」なので、
冷たい水をしみこませたタオルをのせてひやすわけなのです。
また、どうしても立ちくらみがおこりやすい、と言う方は、
入浴時にも冷たいタオルを頭にのせて、浴槽に入る時は
「足浴⇒半身浴⇒全身浴」の順番でゆっくりとつかり、出るときは、
「全身浴⇒半身浴⇒足浴⇒ゆっくり立ち上がる」の順番にしましょう。
(4)一気に長湯はしないで「分割浴」をしましょう。
短い入浴と浴槽から出て休憩をすることを繰り返す入り方が「分割浴」といいます。
例えば「3分入浴⇒休息⇒また入浴」を3回繰り返すと、
トータルでは9分間入浴したことになります。
同じ時間数を、一気に入浴するよりも、分割浴をした方が湯冷めしにくいそうです。
また、湯の温度によっても、分割浴の時間が異なります。
(5)疲労回復にはひざ下の「温冷交互浴」が有効です。
ひざ下にお湯をかけること3分⇒水をかけること1分、を3~5回ほど繰り返すそうです。
そうすると、末梢血管が広がり、疲労物質が排泄されやすくなるそうです。
なお、心臓に負担をかけないために「ひざ下」としておりますが、
水をかけるときだけ「ひざ下」にして、お湯3分は普通の入浴でも良いとの事です。
サウナの横にある水風呂でも、「ひざ下」のみ、つかってもいいですね。
まとめますと、
【入浴前後に必ず1杯の水を飲む】
【入浴の前には心臓の遠くから順に、十分な「かけ湯」をする】
【頭には(熱い)或いは(冷たい)ぬれたタオルをのせる】
【一気に長湯はしないで「分割浴」をする】
【疲労回復にはひざ下の「温冷交互浴」が有効】
以上、5項目で温泉ソムリエでは【入浴五か条(にゅうよくごかじょう)】と命名しているそうです。
それでは次に入浴の際のお湯のつかり方を紹介します。
以下、お湯のつかり方をスタイルとします。
【全身浴】
肩までつかる一般的な入浴スタイルです。
42度程度の温泉に肩までつかると確かに気持ちがよく本来の入浴スタイルです。
温泉の場合、効果的に薬理成分を体に吸収させるにはこの全身浴スタイルで、
自宅のお風呂の場合も、ダイエットをする際に、
入浴スタイルとしては最も消費カロリーが多くなります。
反面、リスクとしては、「心臓に負担をかけやすい、のぼせ易く長湯ができない」があります。
【半身浴】
「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」という言葉のように、
上半身(頭)は涼しく、下半身は温かくという健康増進法があります。
下半身をしっかり温めつつ、心臓への負担を軽減したのがこの入浴スタイルです。
みぞおちから下の部分をお湯につかるようにします。
浴槽に段差があれば、そこに腰かけて下半身のみ、つかる状態にできますね。
自宅のお風呂もこの半身浴スタイルが最も安全で効果的で良いとされているそうです。
一見、上半身が温まらない気がするのですが、
血液循環が活発になることによって、上半身も十分に温かくなり、発汗が促進されるのです。
それでも、上半身が寒いと感じられたら(特に、年配の女性に多い)、
寒い、と感じた時だけ肩までつかったり、
湯をしみ込ませたタオルや、乾いたタオルを肩にかけたり、
或いはかけ湯をするとよいかもしれません。
【寝浴】
浅い浴槽に首から下を温泉につけて、寝た状態での入浴スタイルです。
よく、日帰り温泉施設に専用の浴槽がありますね。
このスタイルは、全身浴の気持ちよさがありながら、
心臓への負担が軽いため、理想的なスタイルなんだそうです。
ただ、うとうとと寝てしまい、必要以上の長湯にならないようにお気を付けください。
また、下半身への水圧は低いので、むくみ改善にはあまり向きません。
むくみ対策としては、全身浴・半身浴・浮遊浴の方がいいとのことです。
【浮遊浴】
浴槽のふちに頭をのせて、ひざを曲げて足の裏を浴槽の底につけて、
体が浮いたような状態にして入浴するスタイルです。
出来るなら、この浮遊浴スタイルが最も安全なんだそうです。
心臓が水面近くになるので、心臓への水圧負担が少なく、
それでいて肩までつかることが出来て、足には水圧がかかるのでむくみ改善になって、
上記3つの入浴スタイルのいいとこどりです。
しかも、呼吸に合わせて体を浮いたり沈めたりすると、
まるで無重力空間にいるような心地よさも味わえてリラックスできます。
温泉ですと、浴槽が広い場合が多いので、浮遊浴がしやすいのですが、
周囲の状況を鑑みて行うことをお勧めします。
また、首がごりごりしていたくなる場合もあります。
あと、自宅のお風呂でもできなくはないです。
【足浴(部分浴】
浮遊浴スタイルよりも更に体への負担が少ない入浴スタイルです。
循環器系に負担をかけずに温熱などの効果が得られます。
体の一部のみをお湯につける部分浴になりますので、
ケガや病気などで身体ごと入浴できない場合にも有効です。
なお、あちこちである「足湯」はまさにこのスタイルで、
衣服着用のままで、気軽に楽しみながら、温泉の効果を得られます。
上記の5か条に挙げた【温冷交互浴】を行うとより、効果が得られます。
【手浴】
手と前腕をたらいのような器につける方法が一般的とされています。
42度程度のお湯に5分間ほどつけますが、症状に応じて分割浴で増やすこともできます。
手浴だけで、血行障害が良くなり、筋肉疲労や冷え性に効果があるそうです。
手だけでも5分~10分お湯につければ、全身が温まってきます。
【分割浴】
心拍数を急上昇させることなく血流量をアップさせて、身体を負担を抑えた入浴スタイルです。
短い時間入浴し、浴槽のそばで休憩し、また入浴を繰り返す方法で、別名を「反復浴」といいます。
厳密では、お湯の温度によって、回数やつかる時間などが変わります。
<自宅のお風呂>
ぬるい湯(40度以下)で【半身浴】で【長湯(20分位以上。5分→8分→3分の分割浴。間に3分の休憩】
<温泉>
湯の温度や体の状態によって【全身浴】【半身浴】【足浴】【分割浴】。
温泉ならではのスタイルとしてお勧めなのが【浮遊浴】です。
また、温泉地で体を洗う場合、肌への負担や刺激を考慮した結果、
ボディソープやせっけんを手で泡立てたのちに、体を手で優しく洗いましょう。
【分割浴】の場合、休憩時にそれぞれ最初の休憩で「頭」を、
次の休憩で「体」を洗うのが良いそうです。
この【分割浴】は自宅での入浴時にも活用できます。
そして、温泉の時は、上がる時は湯口の新鮮な温泉で「あがり湯」をしましょう。
以上が、入浴する際の大切な5つの項目である「入浴五か条」と入浴スタイルでした。
まだまだ、入浴方法は続きます。
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