【命主社 (いのちのぬしのやしろ)】
出雲大社の摂社です。
正式な名称は
「神魂伊能知奴志神社、
(かみむすびいのちぬしのかみのやしろ)」です。
天地開闢(世界のはじまり)の造化三神の一柱、
神皇産霊神(かみむすびのかみ)が祀られています。
巨岩の前に建てられていることから、
古代の磐座が
(いわくら。神の御座所。自然の巨石をさす場合が多い)
神社に発展した例として貴重な神社です。
<命主社の入り口>
【ご祭神】
御祭神神産巣日大神(かみむすひのおおかみ)
大国主大神が八十神(やそがみ)たちから
迫害を受けられて生死の境にあるとき、
幾度もお救いになるなど、
大神の国づくりの大事業をことごとく
お護りしている神です。
【巨大なムクノキ】
命主の社の前に、推定樹齢1000年といわれる
ムク(椋)の巨木があります。
高さ17m、根本回り12mもあり、板状の根が発達し、
2m近くも根上りした見事な巨木で、
昭和51年(1976年)に
島根の名樹に指定されました。
<命主社の隣の広場>
ムクノキに見守られているようです。
【真名井遺跡】
古代祭祀の跡です。
昔、御本殿の裏手には大石があったそうです。
江戸時代(1665年)の出雲大社御造営にあたり、
この大石を石材として切り出した際、
銅戈(どうか)と勾玉(まがたま)が
発見されたそうです。
神社が成立する以前より石を祀る信仰があり、
銅戈や勾玉といった祭具が出てきたことから、
何かしらの祭祀を行っていたと考えられています。
【日本海の貿易】
銅戈は九州北部産であり、
勾玉は新潟県糸魚川の硬玉(こうぎょく)、
翡翠(ひすい)を使ったものである事が分かっています。
このことから日本海航路が発達し、
貿易が盛んにおこなわれていたことが伺えます。
実際に北方の越(石川県・富山県・福井県)では、
出雲のものと同じ形式の銅剣、銅矛、銅鐸が
多く発見されているとのことです。
更に、二世紀末に出雲で生まれた
四隅突出型墳丘墓とよばれる
小型の墳丘をもつ首長墓は、
北陸地方に広く分布しています。
この時代の古代出雲の交易が
北九州から越の国まで
広範囲だったことを物語ります。
なお、出土したものは
出雲大社の宝物殿に展示されています。
またレプリカは、
古代出雲歴史博物館でも見ることができます。
【交通アクセス】
出雲大社本殿に一番近い、
出雲教駐車場から徒歩2分強です。
【駐車場】
参拝用駐車場あり。
5台程度駐車可能。
※道幅が大変狭いので出来れば
徒歩で向かわれた方が賢明です。
【所在地】
〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東185
問い合わせ電話番号
0853-53-3100(出雲大社社務所)