【比叡山】
比叡山(ひえいざん)は、
滋賀県大津市西部と京都府京都市北東部にまたがる山。
大津市と京都市左京区の県境に位置する大比叡(848.3m)と
左京区に位置する四明岳(しめいがたけ、838m)の二峰から成る
双耳峰の総称です。
高野山と並び古くより信仰対象の山とされ、
延暦寺や日吉大社があり繁栄しました。
<地図>
【概要】
比叡山は、滋賀県大津市の西南、滋賀・京都県境に位置するします。
古事記には淡海(おうみ)の日枝(ひえ)の山として記されており、
古くから山岳信仰の対象とされてきました。
国土地理院による測量成果では、
東の頂を大比叡、西の頂を四明岳、総称として比叡山としています。
「点の記」では、
東の頂に所在する一等三角点の点名を「比叡山」としています。
この三角点は大津市と京都市の境に位置しますが、
所在地としては大津市にあたります。
比叡山の山頂からは、琵琶湖や京都市街のほか、
比良連峰などの京都北山も眺めることができます。
山の東側には天台宗の総本山である延暦寺があります。
山頂の北の「奥比叡」は「殺生禁断」とされているため、
貴重な野生動物や植物の姿を確認することができ、
特に、鳥類の繁殖地として有名です。
真夏の京都市内と比叡山の山頂近くとでは、
気温が5,6℃も違うそうです。
比叡山は、登山も盛んで、
京都市左京区修学院から登る雲母(きらら)坂は
現在も多くの登山客でにぎわいを見せていますが、
古くから京都と延暦寺を往復する僧
侶・僧兵や朝廷の勅使が通った道です。
【歴史】
古事記では比叡山は日枝山(ひえのやま)と表記され、
大山咋神が近江国の日枝山に鎮座し、
鳴鏑を神体とすると記されています。
平安遷都後、最澄が堂塔を建て天台宗を開いて以来、
王城の鬼門を抑える国家鎮護の寺地となりました。
京都の鬼門にあたる北東に位置することもあり、
比叡山は王城鎮護の山とされたのです。
延暦寺が日枝山に開かれて以降、
大比叡を大物主神とし小比叡を大山咋神とし
地主神として天台宗・延暦寺の守護神とされ、
大山咋神に対する山王信仰が広まりました。
また比叡山山頂の諸堂や山麓の日吉大社などを参拝して歩く
回峰行も行われる信仰の山なのです。
【交通】
『鉄道』
<大津市坂本方面>
比叡山鉄道比叡山鉄道線(坂本ケーブル)
坂本ケーブル「坂本」駅
<坂本ケーブル・車両>
<運賃>
大人:片道860円 / 往復1620円
小児:片道430円 / 往復810円
時刻表は30分毎の運行です。
<坂本ケーブル・走行動画>
<坂本ケーブル・上下すれちがい>
京阪電気鉄道石山坂本線
<京都市八瀬方面>
京福電気鉄道叡山ロープウェイ
京福電気鉄道鋼索線(叡山ケーブル)
叡山電鉄叡山本線
『道路』
比叡山ドライブウェイ
奥比叡ドライブウェイ
京都府道・滋賀県道30号下鴨大津線(山中越)
『路線バス』
比叡山ドライブバス
京阪バス57号経路京都比叡山線
京都バス51系統比叡山線
※※お得なフリー乗車券※※
比叡山延暦寺巡拝チケット
『比叡山内シャトルバス』
京阪バス56号経路京都比叡平線・66号経路大津比叡平線
【延暦寺】
延暦寺(えんりゃくじ、正字: 延曆寺)は、
滋賀県大津市坂本本町にあり、
標高848mの比叡山全域を境内とする寺院です。
比叡山、または叡山(えいざん)と呼ばれることが多く、
平安京(京都)の北にあったので南都の興福寺と
対に北嶺(ほくれい)とも称されていました。
平安時代初期の僧・最澄(767年~822年)により
開かれた日本天台宗の本山寺院です。
住職(貫主)は天台座主と呼ばれ、末寺を統括します。
1994年には、古都京都の文化財の一部として
(1200年の歴史と伝統が世界に高い評価を受け)、
ユネスコ世界文化遺産にも登録されました。
寺紋は天台宗菊輪宝。
<地図>
【概要】
最澄の開創以来、高野山金剛峯寺とならんで平安仏教の中心でした。
真言宗の東寺の密教(東密)に対して
延暦寺の密教は「台密」と呼ばれていました。
「延暦寺」とは単独の堂宇の名称ではなく、
比叡山の山上から東麓にかけて位置する
東塔(とうどう)、
西塔(さいとう)、
横川(よかわ)などの区域
(これらを総称して「三塔十六谷」と称する)
に所在する150ほどの堂塔の総称です。
延暦7年(788年)に最澄が
薬師如来を本尊とする
一乗止観院という草庵を建てたのが始まりとされています。
開創時の年号をとった延暦寺という寺号が許されるのは、
最澄没後の弘仁14年(823年)のことでした。
【名僧輩出】
延暦寺は数々の名僧を輩出し、
日本天台宗の基礎を築いた円仁、円珍、融通念仏宗の開祖良忍、
浄土宗の開祖法然、浄土真宗の開祖親鸞、臨済宗の開祖栄西、
曹洞宗の開祖道元、日蓮宗の開祖日蓮など、新仏教の開祖や、
日本仏教史上著名な僧の多くが
若い日に比叡山で修行していることから、
「日本仏教の母山」とも称されていますし、比叡山は文学作品にも数多く登場しています。
1994年に、ユネスコの世界遺産に古都京都の文化財として登録されています。
【歴史】
《前史》
比叡山は『古事記』にもその名が見える山で、
古代から山岳信仰の山であったと思われます。
東麓の坂本にある日吉大社には、
比叡山の地主神である大山咋神が祀られています。
《大乗戒壇の設立》
延暦25年(806年)、
日本天台宗の開宗が正式に許可されますが、
仏教者としての最澄が生涯かけて果たせなかった念願は、
比叡山に大乗戒壇を設立することであったそうです。
大乗戒壇を設立するということは、
奈良の旧仏教から完全に独立して、
延暦寺において独自に
僧を養成することが可能になる、ということでした。
最澄の主張は、
当然の様に奈良の旧仏教(南都)から
非常に激しい反発を受けました。
大乗戒壇の設立は、822年、
最澄の死後7日目にしてようやく許可され、
このことが重要なきっかけとなって、
後に、延暦寺は日本仏教の中心的地位に就くのです。
823年、比叡山寺は「延暦寺」の勅額を授かりました。
《名僧輩出と僧兵》
大乗戒壇設立後の比叡山は、
前述の通りに日本仏教史に残る数々の名僧を輩出しています。
なかでも、円仁(慈覚大師、794~864)と
円珍(智証大師、814~891)は
どちらも唐に留学して多くの仏典を持ち帰り、
比叡山の密教の発展に尽くしました。
また、円澄は西塔を、円仁は横川を開き、
10世紀頃、現在みられる延暦寺の姿ができあがったのです。
ですが、比叡山の僧は
のちに円仁派と円珍派に分かれて激しく対立していきます。
「山門」(円仁派、延暦寺)と
「寺門」(円珍派、園城寺)は
対立・抗争を繰り返し、こうした抗争に参加し、
武装化した法師の中から自然と僧兵が現われてきたのです。
【境内】
所在地:〒520-0116
滋賀県大津市坂本本町4220
電話:077-578-0001(代)
FAX:077-578-0678
<根本中堂と回廊>
比叡山の山内は
【東塔(とうどう)】
【西塔(さいとう)】
【横川(よかわ)】
と呼ばれる3つの区域に分かれています。
これらを総称して「三塔」と言い、
さらに細分して「三塔十六谷二別所」と呼称しています。
このほか、滋賀県側の山麓の坂本地区には本坊の滋賀院、
「里坊」と呼ばれる寺院群、比叡山とは関係の深い日吉大社などがあります。
【延暦寺諸堂巡拝時間】
【東塔地区】
3月~11月:午前8時30分〜午後4時30分
12月:午前9時~午後4時
1月~2月:午前9時〜午後4時30分
【西塔・横川地区】
3月~11月:午前9時~午後4時
12月:午前9時30分~午後3時30分
1月~2月:午前9時30分~午後4時
※巡拝受付は閉堂の30分前までとなります。
※冬季期間は降雪等の為、閉堂時間を早めることがあります。
※法要・行事等で入堂を制限する場合が有ります。
【拝観料】
【東塔・西塔・横川共通券】
大人:700円(600円)
中高生:500円(400円)
小学生:300円
※()は団体料金で20名以上。
【国宝殿(宝物館)拝観料】
大人:500円(400円)
中高生:300円(200円)
小学生:100円
※()は団体料金で20名以上。
【国宝殿拝観料と巡拝料のセット価格】
大人:1200円(1000円)
中高生:800円(600円)
小学生:セット券なし
※()は団体料金で20名以上。
※巡拝料は各巡拝受付所にてお支払い下さい。
※割引券等お持ちの方はお支払い時に提示してください。
【東塔】
延暦寺発祥の地であり、
本堂にあたる根本中堂を中心とする区域です。
<東塔>
<主な建屋>
根本中堂(国宝)
最澄が建立した一乗止観院の後身。現在の建物は織田信長焼き討ちの後、
寛永19年(1642年)に徳川家光によって再建されました。
1953年(昭和28年)に国宝に指定されています。
平成28年(2016年)から10年間にわたって補修及び改修工事中!
文殊楼(重文)
寛文8年(1688年)の火災後の再建。
二階建ての門で、階上に文殊菩薩を安置。
根本中堂の真東に位置し、他の寺院における山門にあたります。
<国宝殿>
山内諸堂の本尊以外の仏像や絵画、工芸品、文書などを収蔵展示しています。
土足厳禁でペットボトルなどの飲み物は持ち込めません。
カバンの中に入る場合はおしまいください。
<リーフレット>
<リーフレット2>
<御朱印受付・8カ所>
冥加料:300円
根本中堂・東塔・阿弥陀堂・大講堂・文殊楼
宿坊延暦寺会館・満拝堂・大黒堂
所要時間:約60分程度(東塔のみ)
【西塔】
<転法輪堂(重文)>
西塔の中心堂宇で、釈迦堂。
信長による焼き討ちの後、文禄4年(1595年)、
当時の園城寺弥勒堂(金堂に相当し、南北朝時代の1347年の建立)を
豊臣秀吉が無理やり移築させたものです。
現存する延暦寺の建築では最古のもので本尊は釈迦如来立像(重文)。
<常行堂・法華堂(重文)>
2棟の全く同形の堂が左右に並んでいます。
向かって右が普賢菩薩を本尊とする法華堂、
左が阿弥陀如来を本尊とする常行堂で、文禄4年(1595年)の建築。
2つの堂の間に渡り廊下を配した全体の形が
天秤棒に似ているところから「にない堂」の称があるます。
<浄土院>
東塔地区から徒歩約15分。
宗祖最澄の廟があり、山内でもっとも神聖な場所とされています。
ここには12年籠山修行の僧がおり、
宗祖最澄が今も生きているかのように食事を捧げ、
庭は落ち葉1枚残さぬように掃除されています。
<相輪橖>
釈迦堂の北の山林にあり、
青銅製で1895年(明治28年)に再建された相輪橖(重文)。
<瑠璃堂(重文)>
西塔地区から黒谷(後述)へ行く途中。
信長の焼き討ちをまぬがれた唯一の堂といわれています。
様式上、室町時代の建築です。
<黒谷青龍寺>
西塔地区から1.5キロほど離れた黒谷にあり、
法然が修行した場所として有名です。
<御朱印受付・1か所>
冥加料:300円
釈迦堂
【横川】
西塔から北へ4キロほど。
嘉祥3年(850年)、円仁(慈覚大師)が建立した
首楞厳院(しゅりょうごんいん)が発祥。
<横川中堂>(よかわちゅうどう)
新西国三十三箇所観音霊場第18番札所。
旧堂は1942年、落雷で焼失し、
現在の堂は1971年に鉄筋コンクリート造で再建されたもの。
本尊は聖観音立像(重文)。
<根本如法塔>
多宝塔で、現在の建物は大正期の再建。
円仁が法華経を写経し納めた塔が始まり。
<四季講堂(元三大師堂)(重文)>
四季に法華経の論議を行うことから四季講堂と呼ばれています。
おみくじ発祥の地です。
<恵心堂>
現在の堂は坂本生源寺の別當大師堂を移築したもの。
安楽律院⇒ 天台宗安楽律法流の道場。
<御朱印受付・2カ所>
冥加料:300円
横川中堂・元三大師堂・恵心堂(横川中堂にてお授け)
【交通】
<バス路線>
【東塔】
東塔区域の最寄りのバス停は、延暦寺バスセンターです。
以下の路線が乗り入れ、
京都バスおよび京阪バスにより運行されています。
叡山ロープウェイ比叡山頂駅を利用する場合、
延暦寺バスセンター・比叡山頂停留所間はバスで約5分。
「延暦寺バスセンター停留所」
51系統(京都バス):京都駅 行き/比叡山頂 行き(京阪出町柳経由)
57系統(京阪バス):京都駅 行き/比叡山頂 行き(京阪出町柳経由)
シャトル系統(京阪バス):比叡山頂 行き(当停留所始発)
シャトル系統(京阪バス):ロテル・ド・比叡行き/比叡山頂 行き
シャトル系統(京阪バス):横川行き/比叡山頂 行き(西塔経由)
<ケーブル>
最寄り駅である坂本ケーブル・ケーブル延暦寺駅より徒歩10分(東塔区域まで)。
公式サイト⇓⇓
坂本ケーブル
<運賃>
大人:片道860円 / 往復1620円
小児:片道430円 / 往復810円
※おトク情報※
京阪電車の「京阪電車びわ湖1日チケット」
<料金>
大人700円
小人350円
京津線(御陵-びわ湖浜大津)・石山坂本線(石山寺-坂本比叡山口)が一日乗り放題。
その他京阪大津線沿線のさまざまな施設で優待を受けられます。
【西塔】
西塔区域の最寄りのバス停は、西塔バス停です。
以下の路線が乗り入れ、京阪バスにより運行されています。
「西塔バス停」
シャトル系統(京阪バス):横川行き/比叡山頂 行き(延暦寺バスセンター経由)
【横川】
横川区域の最寄りのバス停は、横川バス停です。
以下の路線が乗り入れ、京阪バスにより運行されています。
「横川バス停」
シャトル系統(京阪バス):比叡山頂 行き(当停留所始発、延暦寺バスセンター経由)
安土城です。
安土城登城記・日本100名城スタンプ設置施設の紹介
この地で起きた「比叡山焼き討ち」です。
主に織田信長の時代の焼き討ちの記事です、。
明智光秀・織田家臣初の築城許可の功績~比叡山延暦寺焼き討ち~
滋賀県側の玄関口である「坂本」にある「坂本城跡」です。
坂本城・要所かつ豪壮華麗な明智光秀の居城~琵琶湖の浮城~
明智一族の菩提寺である西教寺です。
光秀の妻・明智煕子と明智一族の墓がある西教寺~互いを支え合い深い絆で結ばれた夫婦~
同じ琵琶湖の西側にあります。湖畔の大鳥居が圧巻です。
白髭神社・湖畔に浮かぶ朱塗りの大鳥居~近江の厳島~