白糸ノ滝(静岡県富士宮市)~世界文化遺産、源頼朝が和歌を詠み「信長公記」にも名所と記されています。

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【白糸の滝】

白糸の滝(しらいとのたき)とは、
静岡県富士宮市にある滝です。
隣接する音止めの滝と共に
著名な観光地の1つとして知られており、
日本の滝百選にも選ばれている他、
日本三大名瀑に選ばれることがあります。

白糸の滝 絹糸

国の名勝、天然記念物であり、
「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」
の構成資産として世界文化遺産に登録されています。
なお、名勝、天然記念物としての
指定名称及び世界文化遺産・構成資産一覧では
「白糸ノ滝」と表記されています。

白糸の滝 紅葉 滝つぼ

【概要】
白糸ノ滝は富士山の雪解け水が、
上部の水を通す地層である
新富士火山層と下部の水を通さない地層である
古富士火山層の境の絶壁から湧き出しています。

白糸の滝(富士宮市)

古富士泥流堆積物の上に白糸溶岩流が位置し、
溶岩流の各層の隙間から
富士山の地下水が流れ出ています。
その様子が絹糸を垂らしたようであることから
「白糸の滝」と呼ばれているとのことです。
水量は毎秒1.5トンで幅200m、高さは20mです。
年間を通じて水温は12℃です。
文化財上の「白糸ノ滝」は滝壺だけでなく
周辺地も含まれており、
「音止めの滝」(およそ徒歩5分)も含まれています。

音止の滝(富士宮市)

【巡礼や修行の場】
戦国時代末から江戸時代初期、
富士講の開祖とされる長谷川角行が
修行を行った地とされ、
富士講を中心とした人々の巡礼や
修行の場となったことでも知られています。

富士山 冨士講

【国の名勝及び天然記念物】
昭和11年、国の名勝及び天然記念物に指定され、
昭和25年10月には「観光百選滝の部」で
1位に選ばれ、古くからその見事な眺めが
人々に愛されている滝です。

現在も国の名勝及び天然記念物であり、
平成2年に日本の滝百選に選定されています。



【歴史】
古くより風光明媚な景勝地として知られ、
「信長公記」巻15には
「西の山に白糸の滝名所あり」との記述があります。
また近世は富士講信者の巡礼地の1つでもあり、
滝壺の近くには天保年間に建立された
食行身禄の供養碑が現在も残るっています。
嘉永7年(1854年)の
富士講信者による自伝にも、
これらが記されています。
白糸の滝のすぐ上には岩窟があり、
そこには「お鬢水」(帯の真奈井)
という水が湧いているとのことです。
このお鬢水で源頼朝は
髪のほつれを直したとの伝説があります。
また、このお鬢水は富士講の霊場の1つでもあります。

【絵画の題材】
白糸の滝は絵画の題材としても選ばれており、
その先鞭をつけた人物として
池大雅等が挙げられています。
大雅の「富士白糸滝図」や
「白糸瀑布真景図」では
富士山と共に白糸の滝が描かれ、
この画題は後の画家に影響を与えたとのことです。

白糸の滝 紅葉 滝壺 虹

【源頼朝も一句】
源頼朝が富士の巻狩りの際に
滝に立ち寄り、以下の和歌を詠んだという
伝承が残っています。

この上に いかなる姫や おはすらん おだまき流す 白糸の滝

<白糸の滝・動画>

【音止の滝】
白糸ノ滝とは対照的で勇壮な音止の滝です。
高さ25mの絶壁から
轟音をとどろかせている滝です。
時は鎌倉時代初期、
曾我兄弟が父の仇である
工藤祐経(くどうすけつね)を討つ
相談をしていた際、
滝の音で声がさえぎられたため、
しばし神に念じたところ、
一瞬滝の音が止んだという伝説から
この名が残されています。

音止の滝(富士宮市)

<曽我橋と芝川>
曽我橋と芝川

【世界遺産構成資産に選ばれた理由】
白糸ノ滝は、「信仰の対象」としての
富士山の顕著な普遍的価値を証明する上で
不可欠の構成資産と見なされています。
富士講の文書によれば、
白糸ノ滝は長谷川角行が
人穴での修行と並行して
水行を行った場所であるとされ、
富士講信者を中心に
人々の巡礼・修行の場であったことから
構成資産となっています。
富士講信者の描いた絵図からは、
18世紀の白糸ノ滝における
修行の様子が知られるのみならず、
現在もなお現地に遺存する石碑等を
確認することができるとのことです。

富士山 白糸の滝駐車場

【交通アクセス】
(車)
◆東名「富士」IC⇒西富士道路、国道139号⇒
「上井出」IC⇒約5分(東名「富士」ICから約40分)
◆新東名「新富士」IC⇒西富士道路、国道139号⇒
「上井出」IC⇒約5分(新東名「新富士」ICから約35分)
◆中央高速「河口湖」IC⇒国道139号⇒
約1時間、途中右折(標識があります)

(公共交通機関)
JR東海・身延線「富士宮」駅⇒「白糸の滝行き」バス
⇒で約30分「白糸の滝」下車。

<曽我橋>
曽我橋

【駐車場】
白糸の滝駐車場
●大型バス10台、1,000円
●マイクロバス5台1,000円
●乗用車105台500円
●バイク10台200円
※ 障がい者用駐車スペースあり

<白糸の滝・案内地図1>
白糸の滝・案内地図1

<白糸の滝・案内地図2>
写真の「現在地」すぐ右の空間も駐車場です。
白糸の滝・案内地図2

●他近隣の民間駐車場あり
駐車場から徒歩5分ほどで
「音止の滝」さらにそこから5~10分で
「白糸ノ滝」に到着。

階段手前の展望スペースまでは、
車イスで行けます。
その先、滝つぼまで100段ほどの階段があります。

<白糸の滝と紅葉>
階段の上からの撮影です。
白糸の滝と紅葉

【トイレ】
男女別の綺麗なトイレがあります。

【売店】
お土産品やカフェ、富士宮焼きそばなどが食べられます。
オシャレなお店が並ぶ空間に生まれ変わりました。
(従来のお店もあります)

【所在地】
富士宮市上井出273-1(白糸の滝駐車場)

所要時間:1時間前後
(飲食・曽我兄弟の隠れ岩・工藤佑経の墓見学含む)

曽我兄弟の縁の地・富士宮市~井出の代官屋敷・曽我八幡宮・曽我兄弟の供養塔・曽我の隠れ岩・音止の滝

曽我兄弟の縁の場所(富士市)~化粧坂少将(姫宮神社)・曽我寺・曽我八幡宮・五郎の首洗い井戸

西山本門寺・織田信長公の首塚~感銘を受けた富士山の麓で眠っています。

工藤佑経~復讐の連鎖の果てに~曽我兄弟の仇討の相手で後見人の伊東祐親に所領と妻を奪われてしまった人

若獅子神社~若獅子とは戦時中の少年戦車兵の愛称、帰還戦車・九七式中戦車があります。

富士山本宮浅間大社~全国の浅間神社の総本山で世界文化遺産に登録されています。