【加悦町】
加悦町(かやちょう)は、
かつて京都府の丹後半島内陸部に位置していた町でした。
2006年3月1日、隣接の与謝郡岩滝町、
野田川町と新設合併し、与謝郡与謝野町となりました。
町役場は支所及び議会棟となっています。
古くから丹後ちりめんの町として知られ、
また、背後の大江山から太平洋戦争中に、
兵器に不可欠なニッケルを採鉱し、
日本海に面した岩滝町の精錬場まで
運搬した加悦鉄道があったところです。
【加悦鉄道】
加悦鉄道(かやてつどう)は、
京都府与謝郡野田川町(現・与謝野町)の
丹後山田駅(現・京都丹後鉄道宮豊線与謝野駅)から、
同郡加悦町(現・与謝野町)の
加悦駅までを結んでいた私鉄です。
かつてはニッケル鉱石も輸送していましたが、
地元住民が自家用車利用に変わったことや、
ニッケル鉱石輸送の終了に伴う赤字のため、
1985年(昭和60年)5月1日に
全線が廃止されました。
丹後山田駅と南西部の加悦町を結んでいた路線でした。
はじめは、沿線の特産品である丹後ちりめんを、
京阪神地区に輸送することを主目的としていました。
沿線住民823名の出資により、
1925年(大正14年)に設立され、
1926年(大正15年)に開業しました。
1934年(昭和9年)からは、
バス事業も開始し、
加悦から丹後山田までを運行していました。
その後、加悦駅の南西にある大江山で
ニッケルの採掘が開始されたため、
1940年(昭和15年)に
大江山ニッケル鉱山への貨物専用線が開業し、
1942年(昭和17年)には
丹後山田駅から北東の岩滝町にある
精錬所(日本冶金工業大江山製造所)
への専用線も開通しました。
戦後、大江山でのニッケル採掘が中止されたため、
加悦⇔大江山間の専用線は撤去されました。
ただし、法的には加悦鉄道廃止まで
廃止手続きは取られていませんでした。
岩滝工場への専用線は、
同工場で精錬する輸入ニッケル鉱を
輸送するため存続されましたした。
モータリゼーションの進行により、
旅客輸送量が減少する一方、
明治・大正時代に製造された
古典蒸気機関車をはじめ、
「マッチ箱」と呼ばれる木造2軸客車、
国鉄から購入した
客車改造のキハ08形気動車など
希少車・珍車の宝庫として知られるようになり、
多くのファンを集めたということです。
会社側もやがて
観光鉄道を目指すようになり、
グッズ類の販売等にも
力を入れるようになりました。
1985年(昭和60年)3月14日の
国鉄ダイヤ改正で宮津線の貨物輸送が廃止され、
同線でのニッケル鉱輸送が不可能となり、
丹後山田⇔岩滝工場間の専用線も
廃止を余儀なくされてしまいました。
これにより、鉄道収入の6割を占めていた
専用線の輸送業務委託料が失われ、
赤字額の大幅な増大が見込まれたため、
同年5月1日に全線が廃止されるに至りました。
その後、2011年(平成23年)4月1日に、
宮津港運株式会社とカヤ興産株式会社の合併により
宮津海陸運輸株式会社が設立されました。
「加悦SL広場」の運営などは
ひきつづき宮津海陸運輸株式会社が行っています。
【路線】
路線距離(営業キロ):丹後山田⇔加悦間 5.7km
丹後山田(たんごやまだ)=水戸谷(みとだに)=
丹後四辻(たんごよつつじ)=加悦高前(かやこうまえ)=
三河内口(みごうちぐち)=丹後三河内(たんごみごうち)=
加悦(かや)
軌間:1067m
複線区間:なし(全線単線)
電化区間:なし(全線非電化)
閉塞方式:票券閉塞式
廃線後、軌道敷跡は
カヤ興産が請負いサイクリングロード
「加悦岩滝自転車道線」として整備されています。
加悦駅は鉄道廃止前から
「加悦SL広場」として整備され、
加悦鉄道で使用されていた気動車や
イギリス製2号蒸気機関車などの
鉄道車両が展示されていました。
加悦SL広場は、1996年(平成8年)に
加悦駅跡から鉱山駅跡に移転しました。
加悦駅のあった場所の近くには、
(京都府与謝郡与謝野町加悦庁舎)
特定非営利活動法人加悦鐵道保存会が
与謝野町から管理運営業務を受託し、
加悦鉄道資料館(旧加悦駅舎)を運営しています。
2005年(平成17年)6月、
2号蒸気機関車(旧鉄道院123号機関車)が
重要文化財に指定されました。
【加悦SL広場】
加悦SL広場(かやSLひろば)は、
京都府与謝野町加悦にある
鉄道保存展示施設です。
主に加悦鉄道で活躍した車両を展示しています。
1977年(昭和52年)9月に開設されました。
当初は加悦駅構内(1985年に営業廃止)にありましたが、
1993年(平成5年)に、
当時の加悦町へ加悦駅用地を譲渡することになったので、
1996年(平成8年)11月に、
現在の大江山鉱山駅跡に移転・再開しています。
加悦鉄道から社名変更した
「カヤ興産株式会社」が運営していましたが、
2011年(平成23年)4月1日に、
同社と宮津港運株式会社が
合併して設立された「宮津海陸運輸株式会社」
の運営となりました。
現在は全部で27両を保存展示しています。
そのうち11両が動態保存されています。
かつては鉄道関連のお土産や
定食などを提供していたショップ蒸気店や、
サハ3104の中で食事ができる、
カフェトレイン蒸気店がありましたが、
かフェトレイン蒸気店は2018年9月25日に、
ショップ蒸気店は
2018年12月31日をもって閉店しています。
【所在地】
京都府与謝郡与謝野町字滝941-2
【営業時間】
年中無休
午前10時~>午後5時
【入場料】
中学生以上⇒400円
小学生⇒200円
小学校入学前の小児は無料
<場所>
青印は駐車場入り口付近。
道路を挟んで向かい側は道の駅「シルクのまちかや」
<イベント>
毎年ゴールデンウィークと、11月初旬には、
「加悦鉄道祭り」が開催されています。
「再現列車乗車会(動態保存車両の運転)」や、
ミニバザーなどが行われるそうです。
【交通アクセス】
●京都丹後鉄道宮豊線⇒「与謝野」駅より
丹後海陸交通バス(与謝、共栄高校ゆき)
「SL広場西」下車、徒歩5分。
●JR西日本山陰本線・福知山線・京都丹後鉄道宮福線⇒「福知山」駅より
丹後海陸交通バス(傘松ケーブル下行き)
「SL広場西」下車、徒歩5分
与謝野駅からに比べると、本数が少ない。
その他、毎週月曜・水曜・金曜のみ、
(祝祭日・年末年始をのぞく)
与謝野町コミュニティバスのうち
加悦奥・奥滝線が本広場に乗り入れるそうです。
<2号機関車>
明治6年(1873年)にイギリスで製造され、同年に輸入。
日本で2番目に古いSLです。
大阪⇔神戸の鉄道建設と営業運転に活躍し、
陸蒸気の名で親しまれてきたそうです。
重要文化財及び町指定文化財です。
<ハブ3号客車>
明治22年(1889年)に讃岐鉄道が
ドイツのファンデル・チーペン社から輸入した木造2軸客車。
内部は客室(店員24名)と手荷物室に分かれています。
<ハ4995号客車>
明治26年(1893年)新橋工場製(定員40人)。
昭和3年(1928年)に国鉄より加悦鉄道へ。
明治期の代表的非貫通型客車で
マッチ箱とも呼ばれていました。
町指定文化財です。
<C58390蒸気機関車>
昭和21年(1946年)、製造。
国鉄函館本線、石北本線で走行して
昭和50年(1975年)使用廃止。
<転車台>
現在では殆ど見ることが出来ない手動式の転車台。
放射状に伸びたレール上に
SLなどの車両を展示しています。
<軌道自転車>(手前)
軌道自転車(きどうじてんしゃ)とは、
運転者が乗車して
鉄道線路上を走行する車両のことです。
<DB201>(後方)
蒸気の足回りを利用した草分け的ディーゼル機関車。
森製作所製機関車の唯一の生き残りです。
「森ブタ」の愛称で親しまれています。
※※まだまだ沢山の展示車両があります。
公式サイトはこちらです⇓⇓
加悦SL広場公式サイト
【加悦鉄道資料館(旧加悦鉄道駅舎)】
【施設概要】
加悦駅舎は、大正15年に開業した
小さな私鉄「加悦鉄道」を紹介する鉄道資料室です。
駅舎前には、加悦鉄道で使用されていた
珍しい腕式信号機や
なつかしい郵便ポストが残されています。
加悦駅舎は、大正15年に建てられた
洋風の木造2階建てです。
建物の外観は白い板壁と緑の瓦で塗装された姿は、
わら葺き屋根が多かった当時、
新しい町を象徴する建物として斬新なものでした。
その後、「日本の駅100選」に選ばれ、
平成8年(1996年)に、
加悦町(当時)指定文化財に指定されました。
そして、同11年(1999年)から
平成13年(2001年)に
建物の曳き移転と修理が行われて、
今日の美しい姿となりました。
現在は、NPO法人加悦鐡道保存会により
管理されています。
【交通アクセス】
【鉄道・バス】
京都丹後鉄道(丹鉄)「与謝野駅」下車、
丹後海陸交通与謝線又は福知山線「加悦庁舎」バス停下車すぐ
【車】
山陰近畿自動車道
(鳥取豊岡宮津自動車道)
「与謝天橋立IC」より国道176号を福知山方面へ
15分程度
京都方面から約2時間
大坂方面から約2時間
名古屋方面から約3時間30分
【所在地】
都府与謝郡与謝野町字加悦433番地8
【開館時間】
午前9時~午後5時
【開館日】
土曜日、日曜日および祝日
【入館料】
無料
【駐車場】
あり(無料)
【電話】
0772-43-0232
<場所>
青印は建物の前にある駐車場付近。
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