九品仏駅(東急大井町線)~踏切の真ん中にある駅~と九品仏浄真寺。

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東京都の南部に位置する「九品仏(くほんぶつ)」駅をご存知でしょうか?
東京都世田谷区奥沢に位置しており、東急大井町線の駅ですが、
この駅が何と、踏切の真ん中にあるのです。
上下線路に囲まれた真ん中に改札及びホームがあります。
踏切が閉まったら、駅には行けないのではないか?と気になって、
様子をしばらく見ていたところ、
上下線のどちらかがきたら、踏切が降りますが、
基本的に同時に踏切のバーが降りることはありません。
もちろん、本数が多いので、時間差でバーが降りて、
結果的に両方のバーが降りた状態になることは多々あります。
また、改札と進行方向が逆の位置にも踏切があるため、
ホームに停車できる車両が限られていて、4両編成分のみドアが開くようです。
東急大井町線
駅の開業は戦前で1929年(昭和4年)11月1日です。
急行は残念ながら通過となりますが、大井町線が開業するまでは、
今の「自由が丘」駅が「九品仏前」駅を名乗っていたそうです。
以前住んでいた「武蔵小杉」駅が未来的な駅に様変わりしてしまったので、
こうした懐かしい佇まいの駅がしっかりと健在なのはうれしいですね。



駅名の由来は、徒歩10分弱の処にある九品仏浄真寺(くほんぶつじょうしんじ)からです。
浄土宗のお寺で、名前の由来は9体の阿弥陀如来像があることからとのことです。
この9体の阿弥陀如来像がある寺は、他に京都の浄瑠璃寺との事です。
歴史を少々紐解きますと、
浄真寺の地は、もともとは世田谷吉良氏系の奥沢城でありました。
奥沢城跡
世田谷吉良氏は三系統ある吉良氏のうちの奥州吉良氏でした。
奥沢城は、1987年に世田谷区の区指定史跡に指定されております。
境内には土塁が残されております。
奥沢城は、小田原城征伐後に廃城となりましたが、
その後に名主がもらい受け、珂碩(かせき)によって1678年に開山となりました。
九品仏寺
境内は緑が多く、秋にはモミジが色づき紅葉が綺麗なので、
またこの時季に訪れてみるのがいいかもしれません。
5月には「お面かぶり」という行事がありまして、3年ごとに開催され、
近年では去年2017年の5月5日に行われました。
「お面かぶり」は、正式には「二十五菩薩来迎会」といい、
3年に一度、本堂と上品堂の間に渡された橋を菩薩の面をかぶった僧侶らが渡るというもので、
これは、菩薩の来迎の様子を表すものだといわれております。
東京都の無形民俗文化財に指定されています。
境内の池には、時季になりますと、白い鷺草が咲きます。
九品仏寺清流
この鷺草には哀しい伝承があるようです。
奥沢城の城主・大平出羽ノ守の愛娘・常盤姫が、
世田谷城の7代目城主・吉良頼康公に10人目の側室として選ばれ寵愛を受け子供を身ごもりました。
このことを嫉妬した頼康公の他の9人の側室達の計略によって、
常盤姫は無実の罪を頼康公に咎められ、最後は上馬の地で追手に捕らえられ自害してしまいました。
世田谷城から追われる前に、常盤姫は大平出羽ノ守に助けを求める手紙を白鷺の足に付け託しましたが、
折からの雨に濡れた足の手紙が重くなり白鷺は奥沢城近くで力尽きて息が絶えてしまったのです。
白鷺の亡骸は付近の村人によって発見され丁寧に葬られました。
あくる年の夏に、その白鷺を埋めた場所に美しい花が一斉に咲き、
それは白鷺の舞い立つ姿にそっくりな花でありました。
人々は、常盤姫の運命を偲んでこの花を鷺草と名付けた、とのことです。
(引用元:ウキペディアより)



いやはや、いつの時代も人の「嫉妬」というものは恐ろしいものです。
上手にかわさなくてはなりませんね。
特に、何か人より秀でてしまったり、成功した時はなおさらです。
だから
「実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな)」
という言葉があるのですね。
意味は、人は偉くなればなるほど、
謙虚な姿勢で人と接することが大切であり、
会社も成長や発展をとげれば遂げる程に、
会社や社員の態度が丁重でなければなりません。
哀しい伝承があった面影は今となっては全くなく、
境内は清々しく整然としております。
九品仏駅周辺は、静かで穏やかな住宅街となっております。
昭和30年代まで九品仏浄真寺の北側にはその名も「九品仏池」なるものがあったようですが、
現在は埋め立てられてしまい、公園となっております。
なお、東京都南部と神奈川県東部にある東急沿線にはお得なチケットがあります。
その名も、「東急ワンデーオープンチケット」です。
料金は大人660円、子供330円で、
東急線全線が1日乗り放題となるお得な切符です。
東急線には、
東横線・目黒線・田園都市線・大井町線・池上線・東急多摩川線・世田谷線・こどもの国線
があり、発売箇所は世田谷線・こどもの国線以外の各駅の発売機で購入できます。
なお、その名の通り、電車のみの対象となるので、東急バスを利用した時には、
別料金となりますのでご注意ください。
東急線沿線には渋谷や横浜や自由が丘をはじめ、
見どころも多く、お手軽な日帰り旅行や「〇〇〇各〇停車のた〇」気分で、
お出かけされてもいいかと思います。
改札を通った際には、切符を忘れずに必ずお取りくださいね。
自動改札でもちゃんとぴょこっとでてくるので。
そして、東急大井町線ですが、有料座席指定サービスを開始する予定だそうです。
時期は2018年の冬からの予定で、
区間や曜日は、平日夜間の田園都市線直通急行で、大井町から長津田までの間となります。
時刻は
19時30分から23時台のうちの5本程度で、
車両は7両編成の新型車両のうちの1両で40席程度となります。
なお、5月6日までこのサービスの愛称を募集中で、
公式サイトから応募できます。
京王線が既にこうしたサービスを開始しています。
愛称は「カエル」です。
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